「inboud insight(インバウンドインサイト)」には、新たな機能として訪日消費データプランや統計データプランが追加されていますので、通常の解析方法以外に、新たな機能で得られたデータをアプローチの入り口として使った解析を行ってみました。
今回の解析対象としたのは、横浜と同じく中華街がある神戸や、世界遺産に指定された姫路城を擁する兵庫県です。
解析には、弊社ナイトレイのサービス「inboud insight(インバウンドインサイト)」を用い、2016年4月22日~2016年5月22日に投稿されているツイートを対象としました。
「inboud insight(インバウンドインサイト)」は、ナイトレイが運営する訪日外国人の位置・移動情報に特化したSNS解析サービスで、Twitter等のSNS上に公開されている投稿内容を大規模にリアルタイム解析することで、行動場所や日時・クチコミ・国籍・性別・移動経路などをデータベース化し、ASP型解析ツールと解析結果データを提供しています。
様々な場所で外国人観光客が投稿
まずは、「inboud insight(インバウンドインサイト)」の「PROプラン」で見る事ができる「SNS解析データ」から見ていきます。「SNS解析データ」の画面で都道府県を兵庫県に設定すると、絞り込まれたエリアでデータが表示されますが、今回は最初に表示された画面から拡大して兵庫県全体を見てみます。
すると、神戸や姫路城といった主要観光地だけでなく、丹波、篠山、豊岡といった日本人もあまり行かない場所にまで投稿があることがわかります。
また、表示された人気施設集計(全て)を見てみると、姫路城、神戸港、中華街、有馬温泉といった施設が人気施設としてランクインしています。
さらに、人気施設トップである姫路城をクリックして、具体的な投稿内容を見てみると、中国、香港、台湾、インドネシア、イギリス、アメリカ、オーストラリア、タイ、フィリピンと多くの国籍の方が訪れている事が見て取れますし、やはり世界遺産は強いですね。
そういった中でも、神戸ステーキの有名店「あぶり肉工房 和黒 新神戸店」が10位に入っているのは、神戸牛の認知が世界的に拡がっている証左でしょうか。
国籍や都道府県で傾向が異なる
次に、「統計データプラン」で取得できるデータを見ていきます。2016年1月における「訪問外国人客数ランキング」を見てみると、上位トップ3は韓国、中国、台湾となっていますが、兵庫県では全国ではトップ10圏外のドイツが8位に入るなど、都道府県別での違いが出ています。
また、訪日外客数推移で国籍をアメリカ合衆国にして見てみると、全国でのピークは6月から7月ですが、兵庫県の場合には12月にも大きなピークが来ていますので、クリスマス休暇の影響が全国よりも顕著にでているように思われます。
有馬温泉や城崎温泉での推定消費層が神戸市中央区よりも多い
次は、「訪日消費データプラン」で取得できるデータをの中から、「無料プラン」でも閲覧できる香港のデータで解析を行ってみます。2015年の1年間に絞って見た場合、推定消費総額は、神戸市中央区が全国順位72位の14億円。
豊岡市は、全国順位45位の26億円。
神戸市北区になると、全国順位11位の100億円と、大きな開きがあります。
また、神戸市中央区では富裕層の推定消費金額が全体の15%ほどしかないのに対し、北区は30%、豊岡市に至っては36%と大きな差がでています。
これは、北区には有馬温泉、豊岡市には城崎温泉があることから、外国人観光客の富裕層が高級な温泉宿に泊まってお金を落としているという構図が見て取れます。
今度は、「SNS解析データ」画面に切り替えて、対象を兵庫県にして国籍を香港で絞り込みを行って見てみます。
すると、実際に香港の方が有馬温泉の高級旅館に宿泊して寿司を食べている投稿が出てきました。
様々な知見が得られる
今回は「SNS解析データ」だけでなく、「統計データプラン」や「訪日消費データプラン」も使って様々なアプローチでの解析を行ってみましたが、色々と面白い結果を得る事ができました。「inboud insight(インバウンドインサイト)」を使うと、このような解析を簡単に行う事ができますし、「無料プラン」でも「2015年訪日外国人旅行客データ」といったデータは見れますので、そこから色々な知見を得る事ができます。
まずは、「無料プラン」から登録をして「inboud insight(インバウンドインサイト)」を使いこなしていただければと思います。