この度の地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
また、被災地域の一日も早い復興をお祈りいたします。
地震の発生を受けて、安否確認や災害用伝言板の運用が開始されているほか、各所の被害状況や運休、通行止めの情報も出てきています。
訪日外国人観光客向けにも、観光庁が17日より情報発信の強化や緊急地震速報配信アプリの告知をおこなっています。
実際に訪日外国人観光客の方は地震に対してどのような反応をしているのか、
「inbound insight(インバウンドインサイト)」を用いて調査してみました。
地震がもたらした影響は、「inbound insight(インバウンドインサイト)」上にも表れていました。
1. 訪日外国人の移動状況
4月14日以降、熊本地震の影響により、移動手段が著しく制限されていることが推測されます。そこで地震発生後の訪日外国人の移動状況を、「inbound insight(インバウンドインサイト)のルート検索機能を用いて調べてみました。こちらは4月8日~13日までの九州地方における訪日外国人の移動ルートを「inbound insight」(インバウンドインサイト)」を用いて解析した結果です。福岡や大分、熊本を訪日外国人が移動している様子が分かります。
では、熊本地震発生以降、どのように変化したのか、「inbound insight(インバウンドインサイト)」の日付変更機能を用いて、4月14日~18日の移動の様子を調べてみます。
こちらが地震発生後の4月14日以降の訪日外国人の移動を解析した結果です。
九州地方全域に渡って、訪日外国人が移動していない様子が見て取れます。正確には移動できない、もしくはスマートフォンが使用できずSNSに投稿すらできない、という可能性があります。
このことからも、熊本地震が九州地方内の交通に大きな影響を与えており、訪日外国人に対しても影響が及んでいることは確かなようです。
2. 訪日外国人の地震に対する関心
地震を受けて、人の移動が困難になっている様子がルート検索を通じてわかりましたが、他の地方を訪れている訪日外国人は今回の地震をどのように感じているのでしょうか。こちらも「inbound insight(インバウンドインサイト)」の投稿一覧表示機能を用いて調べてみました。地図の右にある投稿内容をご覧ください。これは、「inbound insight(インバウンドインサイト)」上に表示された大阪にいた中国人からの投稿です。
地震に見舞われた熊本の様子を写した画像と共に投稿しています。調べた結果、この他にも中国人の地震に関する投稿はやはり多く、関心の高さがうかがえる結果となりました。
また親日国として知られる台湾の人からも、熊本への激励の投稿がなされるなど、訪日外国人にとっても、地震への関心は総じて高いと言えるかもしれません。
3. 熊本市の訪日消費金額
最後に、先月末にリリースされたばかりのinbound insightの新機能「訪日消費データプラン」で熊本エリアの訪日消費金額を見てみましょう。以下の画面では、香港の訪日外国人による2015年の熊本市中央区の推定消費金額は約19億円であったことがわかります。ここでは全国の市区町村の中では59位の消費金額であることもわかりますが、この地震により訪日外国人旅行者の消費動向にも今後変化が出てくる可能性がありますので注視するべきだと考えます。4. まとめ
以上のように、「inbound insight(インバウンドインサイト)」を用いたリアルタイムな解析によって、九州地方においても訪日外国人の移動が困難になっている可能性が見て取れました。九州以外でも地震に関心を持つ訪日外国人も多く、画像と共に地震の様子を投稿する訪日外国人の存在も確認できました。日本人同様、訪日外国人も、地震について大きな影響を受け、様子の共有を進めていることが明らかとなりました。
「訪日消費データプラン」の詳しい内容についてはこちらの記事をご覧ください。
また、本プランでは期間限定で「香港」のデータを無料公開しております。ぜひお試しください。
http://inbound.nightley.jp
■ 参考リンク
・平成28年熊本地震を受けた訪日外国人旅行者に対する情報発信について
~訪日中の外国人の方に対してJNTOより情報発信を行っています。 ~
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news03_000154.html
・Kumamoto Earthquakes (JNTOによる訪日外国人向けの主要熊本地震情報)
http://www.jnto.go.jp/eq/kumamoto.html