これまで、各都道府県をメインに訪日外国人の動向を解析してきましたが、今回は視点を変えて、コンビニエンスストアを利用する訪日外国人の動向に着目し、訪日外国人のSNS投稿を解析しました。
本レポートでは、コンビニエンスストアを利用する訪日外国人動向に着眼することで見えてくる、新たな事実を「inbound insight(インバウンドインサイト)」のPROプランの投稿表示機能を使って解析します。
「inbound insight(インバウンドインサイト)」は、ナイトレイが運営する訪日外国人の位置・移動情報に特化したSNS解析サービスで、Twitter等のSNS上に公開されている投稿内容を大規模にリアルタイム解析することで、行動場所や日時・投稿文章・国籍・性別・移動経路などをデータベース化し、ASP型解析ツールと解析結果データを提供しています。
コンビニで何を購入しているか
この中国人の女性の投稿に注目してみると、終日ショッピングモールで買い物をしていたようです。結果的にショッピングをしている時間が長くなり、レストランで夕食を食べることができず、コンビニを利用したという投稿内容です。
こちらの中国人女性がコンビニで購入した商品に注目してみると、パスタ、冷やし中華、カップラーメンを初め、麺類の商品が目立ちます。また、キュウリの漬物やキムチなどの付け合わせ、デザート用のバナナやドーナッツも購入しているようです。また、購入された商品の共通点として、「一目見て何かわかる」という特徴があります。
日本語が全くわからない訪日外国人に対して、パッケージや商品内容のわかりやすさを追求することは、消費意欲を上げるために重要であると言えます。
さらに、「inbound insight(インバウンドインサイト)」のPROプランには、訪日外国人の行動ルートを表示する機能があり、訪日外国人がどういった経路で、どこを訪れているかもわかります。
コンビニの深夜利用客は何を購入しているか
こちらの中国人の男性は夜中に空腹で目を覚まし、24時間営業しているコンビニへ足を運んだという投稿をしています。投稿日時に注目すると深夜の3時過ぎにSNSに投稿されています。
こちらの中国人男性はコンビニでスナック菓子を初め、クッキー、チョコレート菓子、インスタント焼きそば、いちごオ・レを購入しています。「サッポロポテト」や「かっぱえびせん」のような日本でしか販売されていないようなスナック菓子の購入している一方で、「チョコ味のクレープスティック」や「トルティージャチップス」のような海外でも販売されている商品の購入もみられます。
富裕層の訪日中国人はコンビニで何を購入しているか
大阪の梅田にある高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン大阪」に宿泊しているこちらの中国人女性は、コンビニで購入したカップラーメンを購入しています。
特筆すべきは、「日本において好きなものの三つのうちの一つである。」という投稿内容と、「ザ・リッツ・カールトン大阪」のような高級ホテルに宿泊するような富裕層の訪日中国人もコンビニで買い物をするということです。
こちらの投稿も高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」に宿泊する同じ中国人女性の投稿内容です。朝にファミリーマートで買い物をしたという投稿がされています。
「inbound insight(インバウンドインサイト)」のPROプランを活用すれば、一人のユーザーの投稿を連続的に追うことが可能となり、旅行者の動向の様子を明確にすることができます。
ファミリーマートで購入した商品に注目してみると、惣菜パンを初め、キムチやひじき煮などの惣菜類も購入しています。小腹を満たすための軽食を購入するというだけでなく、食事としてコンビニの商品を購入しているようです。
まとめ:コンビニでは食品の購入が多い
「inbound insight(インバウンドインサイト)」で発見した投稿内容の解析結果をまとめると以下の知見が得られます。- コンビニでは食品の購入をする人が多い。
- 朝食や夕食を購入するために、コンビニを利用している投稿が多い。
- 深夜であっても空腹を満たすためにコンビニで食品の購入をする。
- 富裕層の訪日中国人もコンビニを利用している。
- 訪日中国人のコンビニ利用者ではいちご・オレを購入している投稿も目立つ。
- 商品内容がわかりやすいパッケージのものが購入されている。
また、投稿された写真を見ると商品パッケージは商品名だけでなく、中身が見えるなど日本語が読めなくても「どういう商品か」が分かりやすいパッケージのものが多い傾向がありました。
このように「inbound insight(インバウンドインサイト)」によって得られるSNS解析データを活用することにより、訪日外国人がSNSを投稿した場所や投稿内容がわかります。また、それぞれの投稿内容に着目することで、訪日外国人の嗜好やニーズがわかり、SNSの投稿内容を定性的情報として商品開発やインバウンド事業注力店の選定等を含めたインバウンドマーケティングに活用することができます。
また、下記記事では訪日中国人の購買傾向についてまとめていますので、是非こちらもご覧ください。
『中国人担当者の「inbound insight(インバウンドインサイト)」を使った訪日中国人の行動解析手法を公開』
http://nightley.jp/archives/4037